ずいぶん前のことですが、マンションの耐震強度偽装問題などがニュースになり記憶に残っている方も多いかもしれません。
賃貸物件を探している方はあまり興味がないことかもしれませんが、一応知っておいても損はないと思いますので、簡単にご説明します。
■耐震構造
耐震とは、その名のとおり、地震に耐えることを指します。つまり、建物の柱や壁などが地震に対してどれ位抵抗力があるのかということであり、耐震構造は建物自体が地震に耐えられるように強く作るということです。
例えば、同じ木造であれば、筋交い補強があるかどうかだけで強度は変わります。また、柱の太さが太ければ太いほど地震にも耐えられる強さになります。しかし、地震の振動を建物全体で受ける為、建物は破損しにくくても、全体が大きく揺れてしまうという欠点があり、部屋の中の家具が倒れたりすることで二次災害が発生しやすいことにもつながっているようです。
■免震構造
免震とは、地震の振動が建物へ伝わることを抑制(影響を小さく)することを指します。建物の基盤となる部分と建物との間に、積層ゴムなどの物質を挟むことで、地震のエネルギーを建物部へ伝わりにくくします。
横揺れに対しては効果があると言われていますが、縦ゆれにはも効果が高いのかが疑問視されています。また、施工時の計算精度(建物の重さ、地盤の硬さ)が重要であり、費用も他の構造と比較すると高くなりやすいのもデメリットです。
■制震構造
制震(制振)は、耐震、免震とは少し考え方が異なります。
制震は、振動が伝わるのは仕方がないことという観点から、少しでもその振動を小さく(減衰)させることを目的としたものです。建物の各階などにダンパーと呼ばれる振動を減衰するための器具を使用し、揺れに応じてダンパーが変形することで上階への振動を減衰させます。
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これほど地震の多い国ですが、地震対策の構造はこのようにいくつかの種類があり、全ての条件に適している万能な構造というものはありません。どのような地震対策をすべきか(地震対策を行ったマンションを探すべきか)は、土地(地盤)の硬さ、建物の構造/建築材料/階層数/重さ など様々な要因により異なるということは最低限知っておかなければなりません。