アパートやマンションが見つかったけれども、他にも気になっている物件があったり、少し考える時間が欲しいということがあります。
そんな時、不動産会社の方から「他の方に部屋の契約をされないように、お金(手付金、もしくは申込金・預かり金)を払っていただければ、部屋を押さえておきますよ」と言われる場合があります。
契約を悩んでいるうちに、誰かに先に契約されて後悔はしたくないので、つい仮押さえ(予約)という程度の軽い気持ちだけでお金を払ってしまうことがあります。
しかし、契約をやめた場合などに、そのお金を返金してもらえないなどのトラブルが非常に多く発生しています。
私自身も、過去に気に入った部屋をちょっと検討する期間だけ押さえておきたいという気持ちで、意味も確認しないままお金を支払ったことがあります。
その後、電話で契約しないことを伝えた途端、不動産会社の担当者の口調が豹変し、恐る恐る返金について聞いてみると、「キャンセルによる違約金だ!」と怒鳴られて電話を切られたことがあります。
怒鳴ったり、電話を一方的に切るという態度をとった不動産会社の本性を私が見抜けなかったことや、申込金や手付金(違約金)などに対する知識を持っていなかったことなどを、今でも少し悔やんでいます。
■手付金(手付け金)
手付金とは、主に不動産売買などの大きな(高額な)契約で契約が成立したことを証明するような場合に支払うお金です。売買代金の一部となりますので、契約に必要となる代金と言えます。
賃貸契約の場合、契約を証明するという意味合いで手付金を支払い、物件を借りる権利を得たことになります。手付金を支払った後に借主の都合によって契約を破棄する場合などは解約手付として扱われ、返金されません。逆に手付金を支払った後に、貸主の都合で契約を破棄する場合は、手付金の倍額を返してもらえます。
■申込金(申し込み金、預かり金)
申込金とは、手付金と言葉が似ていて同じように感じますが、全く意味は異なります。
申込金は、正式契約をするかどうか決めるまでのわずかな期間や、申し込み書を提出して審査されている期間に物件を押さえておく為に支払う代金を指します。
正式な契約となれば、その代金は敷金や礼金の一部となりますが、契約をしなければ(審査を通らなかったりした場合も)返金されます。
但し、上述したように、このお金をキャンセル料金として返してくれない悪質な不動産会社も残念なことに世の中にはあり、数多くのトラブルが発生しているようです。
■お金を支払う場合の注意点
申込金を支払う場合は、以下の内容を必ず確認しましょう。
@支払うお金の目的は何なのか明確にしましょう
A預り証(申し込み証)を発行してもらいましょう。
※申込金の場合は「預り証」、手付金の場合は「領収書」を発行されるはずです
Bいつまで物件の予約が有効か確認しましょう。
C代金は、契約成立時、不成立時、審査に通らなかった場合、
それぞれどのような扱いになるのか明確にておきましょう。
可能であれば、預り証にBCの内容も明記して頂きましょう。
その際、面倒そうな対応をされたり、明記してくれない場合は、少し怪しい不動産会社だと疑っておくべきかもしれません。
また、軽い気持ちで予約をするのではなく、契約を本気で考えている場合のみ支払うようにしてトラブルに合わないように気をつけることが一番大切です。